ご挨拶
造血器腫瘍研究会は、造血器腫瘍に関する基礎研究・応用研究の促進を図るため、最新の研究成果の発表や情報交換、研究者の交流の場を提供する組織です。本研究会は、1996年に大木操先生(当時国立がん研究センター)、平井久丸先生(同東京大学)、伊藤嘉明先生(同京都大学)、阿部達生先生(京都府立医科大学)らが中心となって厚生労働省の白血病研究に関する研究班の班会議を拡大する形で始められました。以降、研究発表会が毎年継続して開催され、2019年度で24年目を迎えました。
発足時は私が国立がん研究センターに着任した翌年であり、まだ駆け出しの研究者でありましたが、当初から本研究会に参加する機会を得て、この研究会を通じて最新の研究成果や研究技法のみならず、研究の進め方・考え方など研究者として必要な多くのことを学ばせていただきました。そして、2004年からは上述の研究班を引き継ぎ、事務局として本研究会の活動を支援して参りました。私自身はこの研究会に育てていただいたという感謝の念を強く抱いております。その恩返しとして、このような研究会の活動が造血器研究のさらなる発展に貢献できるのではないかと信じて、本研究会を側面から支えていきたいと考えています。
幸い多くの関係の皆さんからの賛同を得て、これまで長きにわたり、活動を続けることができ、これまでにたくさんの素晴らしい研究成果がこの研究会から発表されています。また、多くの若い研究者がこの研究領域で活躍し、会の発足時に中心であった先生方から見て孫弟子(第3世代)に当たる研究者の中からも既に多くの方が独立した研究室を主宰していて、次世代を担う若手研究者が着実に育っていることを大変嬉しく思います。これも多くの関係する皆様のご支援の賜物であると深く御礼申し上げます。
これからも、革新的な研究がこの研究領域から継続的に創出され、国内外の研究を牽引していくことを期待しています。今後とも本研究会の活動にご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。
2019年9月
国立がん研究センター 北林一生